ライブに浸っているフリをしてたまに瑠斗を覗く。

真っ直ぐ音楽に囚われていく瑠斗は純粋無垢な気がした。とてもじゃないけど私には届かない存在になっていく。


それでも歌詞は続いていて耳に入る言葉の数々。
一曲目は憧れの恋を描いていて私の胸を締め付けてくる。

瑠斗が私に対してこう思ってたらなんて言える資格はないんだけど、そう思う。



“私の全ては君だから君だけはこの中を進んでいって”



歌われた曲の中の大好きな歌詞だ。君が生きていく世界に私がいなくとも君は幸せにならなきゃいけないんだから。