「うん。大丈夫」


私は電話ごとなのに病室のベット正座をしていた。
ペコペコと無意識に頭を下げていたし、頼まれてくれた時は拳を突き上げてしまった。

動きすぎている自分に一人で赤面しながら電話を切る。

既に日は落ちて、外に細く細くなかった月が頑張って世界を照らしていた。



大丈夫、もう心残りなんてないよ。



「泣かないつもりだったのになぁ」

声は静かな夜に飲み込まれた。