中3の冬、わたしは一年も付き合ってきた彼氏と別れた。

わたしからフッたわけじゃない、あちらに受験というプレッシャーが、漬物石のように乗っかかったんだ。

これまでほんとにたくさんの思い出を作ってきたから、突然それを辞めるだなんて、とても受け入れられずに、わたしは毎日ベッドで泣いていた。

もちろん学校にいるときは、別れたってわたしは元気なのよっていうふうに振る舞う。


大野ミアは振られて落ち込んでいる、だなんて周りから面白そうに言われるのがたまらなかったから。


誰にだって心があるのに、噂話にはその痛みをすっかり忘れてしまったかのような甘ったるい香りが漂う。その香りや味わいを楽しんでいられるうちはいいの。
問題は、その甘さを求めるひとたちが、ヤリをもってわたしたちを攻撃してくること。