ああ、そうか。

これはこの前の告白の返事だ。

わざわざあの人を連れてきて、「自分モテる」っていることを見せつける作戦なのか。

僕、フラれるのか。

来なきゃよかった。

ていうか言わなきゃよかった。

彼女の隣に居られるだけで幸せだったのに。

自分の気持ち伝えて、強引にキスまでしちゃったし。

ああ、僕何やってんの。



「さようなら。大好きでした。」

彼女がそう言って頭を下げた。

あの人に。

それ見て、あの人はさみしそうに笑う。

「俺、いつもフラれるんよね。彩香ちゃん、幸せになってな」

そう言って、あの人は立ち去ろうとする。

「ちょっと待てください。」