「緋音お茶持ってきたよ…」

しかし少女には聴こえていない

本に集中しすぎて聴こえていないようだ

「もう、緋音ったら」

呆れながら少女から本を取り上げた

すると少女はようやく気づいたようで顔を上げる

『楓(ふう)、本を返してくれ。』

「え、やだよだって返したらまた集中しすぎて話聞かないでしょ」

白い少女(楓華(ふうか))は本を持ちながら部屋の隅に逃げる