―十年後―

ある少年が世界有数の名門校の前に立ったいた。

「ここが…かの有名な藍乃教授がいる所か…。」








彼は数ヶ月前、普通の一般人だった。たまたま読んでいた新聞にここの編入試験の記事を見つけた。普段なら気にも止めないのだがある一行に目が釘付けになった。
”成績優秀者は学費免除!”
気にならないはずが無い。何せ世界有数の名門校なのだから。そこを卒業すれば人生バラ色と言っても過言ではない。
彼は名門校に入るために異常と言うほど勉強した。そして数々の難問をクリアし合格ラインに達することが出来た。





「久家 蒼羽、 合格おめでとう。」

その言葉を聞いた時、言葉に出来ないくらい感動した。その光景を見て、どれほどの人が彼を憎み、恨み、尊敬しただろう。だが、彼はまだ知らなかった。この学園の真の姿に…………。









「貴方が、久家 蒼羽様ですか?」



優しそうなでも何処か儚げな青年が言った。