「じゃああとは場所だね」

「桂碁、どこかいい場所知らない?」

「俺んちの近くに公園があるよ。

あと駅の近くと学校の近くにもあるかな」

「一ついい?」

菜々子は遠慮がちに手を上げた。

「あたしが昔通ってたバレエ教室って去年人がいないのと先生が年だっていうので閉鎖しちゃったんだ。
あたしのお母さんの両親が教室をやってたから練習用に貸してもらおうかなって思っているんだけど、
どうかな?」

「いいと思うよ。

そこなら他の人たちに見られずに済むだろうし」

「そうだね」

桂碁は華に笑いかけた。