愛斗と出会ったのは
小学校4年生のときだった。
そのころ桂碁は
クラスの男子からいじめを
受けていた。
きっかけは桂碁が
彼らからの遊びの誘いを
断ったことだった。

最初は無視から始まり、
次第に桂碁の持ち物にまで
被害が出るようになった。
愛斗も最初は向こう側の人間だった。

ところがいじめが始まって
一年が経った頃、つまり小学校四年生のときに
桂碁が風邪を引いて学校を休んで、
家に一人でいると突如呼び鈴の音が聞こえた。
そこには愛斗が立っていた。
彼もその日は学校を休んでいた。

開口一番彼は、話があると言った。
桂碁はわけも分からぬまま彼を家の中へ入れた。
今まで悩んでいたということだった。
最初は、軽い気持ちで彼らの仲間に
加わるようになっていたが
桂碁が苦しんでいるのを見るのが
毎日辛かった、そう彼は告白した。