「チャイムの歌詞にもあるでしょ。

『へこんでた私に笑顔くれた皆がいる ひとりじゃないから』って。

歌詞と同じだよ。

桂碁はもう一人じゃないんだよ。

一人で抱え込まないでほしいの。

私のことが好きならもっとぶつかって来なさいよ!

桂碁の愛情をもっと私に見せてよ…」

「華の気持ちはよくわかったよ。でもどうやってぶつかるの…?」

桂碁がそう言うと華は一つ大きなため息をついた。

「全く、なんでわからないのか…。

そこは自分で考えなさいよ。

ったくバカなんだから…」

「え…。
バカってどういうことなの?」

「鈍い…。
あ、そろそろウチらの順番が来るんじゃないの?」

彼女は桂碁から離れ、目に溜まってた涙を拭いた。

そして、トイレ行ってくると言って教室を出て行った。