教室でずっとバレエを教えていただけあって、

彼女の指摘することはすべて的を射ていた。

水沢さんの講評が全部終わる頃には、みんなすっかり疲れ果てていた。

「ふー、長い間話しちゃったけどやるからには最後まできっちりやらないといけないからね。

今回の曲はフルじゃなくて短いバージョンなんでしょ?
それならまぁ少しぐらい楽なんだから楽しまなきゃ損だからね。

あともうひとつ。
踊っているときは絶対に辛そうな顔をしちゃダメ。
必ず笑った顔でいるのよ。

そうじゃないと見ている側の方ののあなたたちの印象がそれだけで変わっちゃうから。
それじゃあ、今日のレッスンは終わり」

こうして彼女の掛け声とともに長いレッスンは閉幕した。