だから、それまではあなたを想うことを許してほしい。
誕生日も知らない。
血液型も知らない。
好きなものも知らない。
あなたの名前も、声さえも……
知らないこと尽くしなあなたに近づくことはしないから。
あぶない……泣きそう
下唇を必死に噛み締めて万が一ないてもいいようにドアの方へ体を反転させる。
ふと、外の景色を見ようとガラス扉に目を向けると向かいに立つふたりの姿が反射して映る。
相変わらず、何もしない。
こんな初な姿見せられたら嫌でも手を繋げさせたくなる。
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