こそ、とその茶髪男子へ耳打ちをする好きな人。



すると、耳打ちされた茶髪男子はばっと、私の方へ視線を向ける。



え。なになに、今の勢い。



あまりの驚きに目を見開いてしまう。



こちらへ視線を送ったと思えば顔を真っ赤にして下を向く。




へ………???




どういう出来事なのだろうか。
もしかして、私……なにかついてる?

ウソだウソだ。
好きな人の前でそんなハメ外しはしたくない。


慌ててガラスに映る自分に視線を移すが特に変わった様子はない。

後ろ髪に手を回しても…特に大丈夫…。





もう1度視線を向けてみれば、彼は…好きな人はいつも通りの立ち姿に戻っていた。



ちら、と彼女を少しみやっては顔を赤くする。

そんな彼を見てまた胸が締め付けられる。



その顔を私に向けてほしいなんて、どんどん欲張りになるんだ。


サイテイだな……。