パーティの2日前、昼休みに藤沢さんの秘書がやってきた。

パーティ用のドレスとバッグ、そして分厚いリスト。

「これは?」

分厚いリストを手に取りながら見る。

中は顔写真とプロフィールらしき物が書かれていた。

「パーティに参加される方のリストです」

どう見ても100人ぐらいあるような・・・

「後、靴なのですが、用意できなかったので、早瀬さんの方で用意して下さい」

そう言って、一枚のメモを渡される。

「当日、ヘアメイクをしてくれる人の連絡先です、
靴を選ぶのを手伝ってもらえる約束になっています」

「分かりました」

名前と日時が書かれているのを確認し、メモを手帳に挟む。

あっさりと対応したが、それが逆に不思議だったようで、
顔をまじまじと見られる。

「何か?」

「いいえ、リストはパーティ前に私にお返しください」

「分かりました」

と答え、秘書が去っているのを見送る。

「ねえ、このドレス、うちの会社で扱っているのよね?
確か20万か30万ぐらいはするんじゃ」

先輩が声をかけてくる。

そうなんですね、と返し、頭の中でドレスの事も調べておこうと考える。

さっきの秘書の人と同じように、先輩も不思議そうな顔で、
私の顔をまじまじ見ている。

「どうかしたのですか?」

「何にも」

先輩は肩をすくめ、視線をパソコンに戻した。

私、何かおかしいかしら?

少し気になったものの、昼食のサンドイッチを食べる事にした。