「あれ?橘さん、机なかったの?」 わざとらしく南原さんが、挑発的な目を向けて聞いてくる。 「う、うん。」 そう答えるのが精一杯だった。 ______...... キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴ったので南原さんはまだ何か言いたそうな顔をしながら 席に戻って行った。 私は、どうしよう… イスしかないし、担任や奏斗くんに机を隠されていると知られたら。 みじめでしかたがなかった。