「えっと…なに?」




尋ねると、さっきまで笑顔だった顔とは一変して




鋭い目付きで睨んできた。





こういう裏表ある人、苦手だ…





「あんたさ、奏斗くんにこびってんの?」



『私の方が好きなのに抜け駆けしないでよ!!』






あの日の光景がフラッシュバックしてきて重なった。




怖い…怖いよ…




なんで私ばっかり…









「ち、違う…こびってなんか、ない…」





「そ。じゃあいいわ。でも奏斗くんはあたしのモノだから。


手ぇ出したら容赦しないからね。」





そう言い放って彼女は去っていった。





私がいつ奏斗くんにこびったのよ。






奏斗くんと話す人なんていくらでもいるのに。





結局は私がいじめの対象にしやすいからなんでしょ?





そう考えただけで無性にイライラしてきた。




せっかく奏斗くんに挨拶されていい日になると思ったのに。






今日の気分は最悪だ。