「彼女と別れた数日後、いつものように残業していたら桜井がなにも言わずにおにぎりとお茶と栄養ドリンク、チョコとか入った袋を机の上に置いてくれただろ。“腹が減っては仕事は出来ぬ。身体が資本なんだから何事もほどほどに!”というメッセージカード付きで」
「あっ、」
そういえばそんなこともあったなと思い出した。
新庄くんが毎日のように残業しているのは知っていた。
たまに目の下に隈を作っていたこともあり身体が心配だった。
自分がミスした時に新庄くんに励まされたので、私も新庄くんの力になりたかった。
だけど仕事で手伝えることなんて限られている。
かと言って、なんて言って励ましていいかも分からない。
新庄くんのためになにか出来ることはないかと考えた末、あることを思い付いた。
食事もとらないで仕事しているみたいだったから、お節介かも知れないけど、ご飯の差し入れをしようと思ったんだ。
仕事が終わり、会社近くのコンビニへ向かった。
おにぎりとお茶だけじゃ物足りない気がして、栄養ドリンク、疲れた時には甘いものがいいと思いチョコも買ってみた。
再び会社に戻って渡そうとしたけど、新庄くんはちょうど席を外していなかった。
少し待ってみたけど戻ってくる気配はない。
そのまま買った物を机の上に置いて帰ろうとしたけど、怪しまれたら困るのでメモを残したんだ。
メッセージカードというか仕事で使っている可愛いメモ帳に書いただけなんだけど。



