頭の中が混乱中だ。
冷めてしまった飲みかけのコーヒーを口に運ぶ。
話を整理するべく、新庄くんに質問をぶつけた。
「私が新庄くんの部屋に泊まった時に彼女のことを聞いたけど否定しなかったよね?」
「は?そうだっけ」
覚えていないとでも言わんばかりの言葉にイラッとしてしまう。
「そうだよ。彼女に私を泊めたことを知られたら困るんじゃないかと思って聞いたら、『そんなこと気にするな。ここは俺の部屋なんだし』って言ったじゃん。こっちは気にするし、なにもなかったとはいえ、彼女に対して罪悪感しかなかったよ」
ホントに胸が痛くてどうしようもなかった。
私は架空の彼女に嫉妬したり罪悪感を抱いていたってことになる。
今さら彼女がいないとか聞かされても、ドッキリとしか思えない。
「ごめん、それについてはあまり深く考えてなかった。自分の中ではとっくの昔に彼女とは別れていたから、気にすることじゃないのにという意味で言ったんだ。桜井がそんな風に思ってるとは思わなくて……悪かった」
頭を下げる。
なによ、それ。
文句のひとつでもいいたいのに、私の口は動こうとしない。
だって、その時のことを悔やむように新庄くんは唇を噛んでいるからだ。
「俺の話、聞いてくれるか?」
小さく息を吐くと話し始めた。



