「ホントにそうか?」
真意を確かめるかのように私の顔をじっと見る。
「どういうこと?」
「目の周りのメイクが少し剥げてる。子供じゃないんだから転んで痛かったからってそんなに泣かないだろ。あまりにも不自然過ぎる」
思わぬ指摘にギョッとする。
観察力が鋭くて、名探偵か!と突っ込みたくなる。
メイク剥げてるとか最悪じゃん。
鏡で顔を確認したい。
キョロキョロと鏡になりそうな物を探す。
「別に気にするほどでもないから」
私のやろうとしていることがバレて恥ずかしくなる。
「俺たちなんでも言い合える同期だろ。嘘つく必要なんてないんだから」
「嘘なんてついてないよ」
“嘘”という言葉に敏感になっていた私は、つい強い口調で言ってしまった。
本当の気持ちを隠して嘘をつくしか出来なかったことを見透かされそうで怖くなった。
「同期だからってなんでも話せる訳じゃない」
「それはそうだけど……。でも、いつもの桜井らしくない」
キッパリと言い放つその言葉に地雷を踏まれた気がした。
私らしいってなに?
好きっていう気持ちを隠し、嘘をつき続けて平然としてるのが私らしいの?
新庄くんになにが分かるっていうのよ!
今までの辛かった想いが一気に溢れ出した。
「私らしいってなによ。自分の気持ちに嘘をついて笑ってるのが私らしいの?」
「桜井?」
新庄くんは心配そうな表情で私を見る。



