感想ノート

  • ここに現代日本文学の超新星を見た。
    繊細な文章から表現される力強い言葉の律動は、
    昨今の作家達には無い爆発的な発想力を感じさせる。
    この作家による文章は、
    作品の氾濫と共に形骸化し、成長が見えない現代日本の文学界に刺激を与えるであろう。

    また物語の内容について語れば、本作は幻想的な要素を含む物語世界と作者の強いメッセージ性を両立させながらも、万人向きな表現を使った文章であることから、読み手を選ばず広く受け入れられる物語となっている。
    そして主人公「田口」は少年少女が感情移入しやすい年齢であり、「田口」を通して激変していく世界を見、「田口」の中に一種の自己投影をすることにより、少年少女達の精神世界が大きく広がりを持つことが期待される。
    よって本作は教育の現場にも適合した文学と言える。

    これほどまでの傑作でありながら、作者はまだ若く、今後も更なる発展が望める作家であることは、文学界にとって大変喜ばしい限りである。

    本作に出会えたことに感謝しつつ、
    作者の今後の活躍に期待していきたい。

    ハイエロファントたん 2008/09/30 00:55

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