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『ようこそ、諸君!
我国が誇る世界屈指の学び舎へ!』


学園長の掛け声とともに
盛大なファンファーレが鳴り響く。

同時に沢山の光の粒が
生徒達を歓迎するかのように宙に舞う。

光の塊があちこちを飛び回り、
キラキラと光の軌跡を残していく。

時折妖精のようなものも側を駆け抜け、
それはまさに幻想的な風景だった。



新入生や保護者達は感嘆の声を上げ、

在校生や職員、来賓の方々は
毎年のことなのか、
穏やかな頬笑みを浮かべ新入生を見ている。


私はというと、
私も感心していた。
この巨大な会場の隅から隅まで魔法をかけ、
幻想的な風景と楽器を操る
学園長の力量に。


その時ユキは、
周りの反応とは少し違った反応をした生徒達を見逃しはしなかった。



能力のあるものは
周りとは少し変わった人が多いのだから。

それを見逃すほどユキは
生半可な覚悟でここに来た訳では無い。