ドーン 開けっ放しの窓から大きな音が聞こえた。 「あ、そうか」 先輩が独り言を言う。 「何ですか?」 私は注がれた紅茶を飲みながら、尋ねる。 「今日、六月灯じゃない?」 「・・・六月灯?」 「あ、実紅ちゃんは、行ったことない?」 先輩はそう言って話してくれた。