「あ、実紅ちゃん、 もうすぐ持ってくるから。」 先輩が布巾片手に 部屋とキッチンを仕切るドアから顔を出した。 いつもの言葉に私は、返事をし、 食器棚を開ける。 先輩愛用のコップと 私がいつも使わせてもらっているコップ、 取り皿、フォークを取り出し、 いつもの場所に並べる。 「いつもの」って言ってるけど、 まだ今日含めて3回しか、 このやり取りしてないのに。 私のテーブルの準備が終わったタイミングで 先輩はいつもの皿に今日のパスタを盛り付けて 持ってきた。 今日はナスとひき肉のパスタ。