翌日、先輩の家に時間通りに行くとトマトの香りがした。



「おじゃまします」

「いらっしゃい」



そんなやりとりのあと、暖められた部屋へ通され、コートとカバンを置くように言われた。



手を洗い、キッチンを覗く。



布巾を渡され、いつものようにテーブルの準備をする。



ちょうどのタイミングで先輩はいつもより深めの皿に盛りつけたパスタを運んできた。




「今日はスープパスタなんですね」





私は食器棚からフォークを取り出して手渡しながら言った。



「今日、夕方まで会社の説明会だったから時間なくて、ね。」



先輩が置いた皿からはトマトがゴロゴロしたスープパスタが湯気を立てていた。



「おいしそう!いただきます!」



二人して、アツアツのパスタを口に運ぶ。




テレビからはゴールデンタイムのバラエティが流れている。






先輩はウイスキーのロックを口に含んだ。