「ええ⁉」
碧の彼氏と名乗った男性は、好青年という印象だった。
「……勝手に、あちこちに、ばらさないでよ…」
「ごめんごめん」
「あと…もう、大丈夫だから手…離して」
「いやだ☆」
前言撤回。
根は優しいのだろうが、少し茶目っ気があるようだ。そして、とてもラブラブだ。まだ碧に抱きついている。俗にいうバカップルというやつなのだろう。
「あなたたちが、南雲さんと早瀬さんと及川さんですか?」
「え、あ、はい。」
「あなたたちの話は碧から聞いています。実はですね、南雲さんがバレーをできなくなったのは自分のせいだと思ってるんですよ。」
「え⁉」
思ってもみなかったことを聞いて驚く。碧はためらいがちに口を開く。
「だって…私が、よろめいちゃって…それで…冬香に、ぶつかって、だから、だから、ごめんなさい、ごめんなさい…」
碧は手を小刻みに震わせながら謝った。
私は、碧の手を両手で握る。顔を上げた碧の赤くした目と目があった。
「確かに、私は碧とぶつかって階段から落ちたよ。でもね、私は今まで碧のせいだなんて一度も思ったことないよ。きっと、皆もそんなこと思ってないよ。」
「え?」
碧は、驚いたように赤くした目を見開く。
「ほ…本当に?」
「うん。だから、そんなに怯えないで。ね。」
微笑しながら言うと、碧は気が抜けたようにふにゃっと笑った。
「ありがとう。」
ずっと碧の隣にいた宮君は固まっていた。
「碧、抱きついていいか?今の笑顔、めっちゃ可愛かった!」
碧は白い目で宮くんを見る。
「だめ…というか、いつまで、いるの?先に、戻ってて…」
碧は、強制的に宮くんを帰らせたが、その顔は真っ赤だった。碧のこんな恥ずかしがった表情は初めて見た。
「…何か、ごめん…」
「大丈夫だよ。それにしても、まさか碧に彼氏がいたとはねぇ」
子の成長を見守る母のように未希が言う。
「…いろいろ、あったん…だよ。」
皆が、ここにいる理由を忘れてしまいそうになった時、真澄が振り絞るような声で言った。
「何で、何で、私を責めないの?碧がよろめいたのは私のせいなんだよ⁉なのに、どうして⁉」
碧の彼氏と名乗った男性は、好青年という印象だった。
「……勝手に、あちこちに、ばらさないでよ…」
「ごめんごめん」
「あと…もう、大丈夫だから手…離して」
「いやだ☆」
前言撤回。
根は優しいのだろうが、少し茶目っ気があるようだ。そして、とてもラブラブだ。まだ碧に抱きついている。俗にいうバカップルというやつなのだろう。
「あなたたちが、南雲さんと早瀬さんと及川さんですか?」
「え、あ、はい。」
「あなたたちの話は碧から聞いています。実はですね、南雲さんがバレーをできなくなったのは自分のせいだと思ってるんですよ。」
「え⁉」
思ってもみなかったことを聞いて驚く。碧はためらいがちに口を開く。
「だって…私が、よろめいちゃって…それで…冬香に、ぶつかって、だから、だから、ごめんなさい、ごめんなさい…」
碧は手を小刻みに震わせながら謝った。
私は、碧の手を両手で握る。顔を上げた碧の赤くした目と目があった。
「確かに、私は碧とぶつかって階段から落ちたよ。でもね、私は今まで碧のせいだなんて一度も思ったことないよ。きっと、皆もそんなこと思ってないよ。」
「え?」
碧は、驚いたように赤くした目を見開く。
「ほ…本当に?」
「うん。だから、そんなに怯えないで。ね。」
微笑しながら言うと、碧は気が抜けたようにふにゃっと笑った。
「ありがとう。」
ずっと碧の隣にいた宮君は固まっていた。
「碧、抱きついていいか?今の笑顔、めっちゃ可愛かった!」
碧は白い目で宮くんを見る。
「だめ…というか、いつまで、いるの?先に、戻ってて…」
碧は、強制的に宮くんを帰らせたが、その顔は真っ赤だった。碧のこんな恥ずかしがった表情は初めて見た。
「…何か、ごめん…」
「大丈夫だよ。それにしても、まさか碧に彼氏がいたとはねぇ」
子の成長を見守る母のように未希が言う。
「…いろいろ、あったん…だよ。」
皆が、ここにいる理由を忘れてしまいそうになった時、真澄が振り絞るような声で言った。
「何で、何で、私を責めないの?碧がよろめいたのは私のせいなんだよ⁉なのに、どうして⁉」


