あの日から、真澄は二日間来なかった。それが指していることは嫌でも分かるが、分かりたくなかった。でも、その願望は一瞬で崩れ落ちた。二日目の朝、朝食をとっているとあるニュースが流れていた。
『一昨日、○○県在住の早瀬結(ハヤセユイ)さん(41)が、大通りで暴走車に跳ねられ亡くなられました。尚、ーーー』
「え?」

私は、それ以降の話が耳に入らなかった。

 私は、まだあの事が信じられないまま学校へ行くと、未稀と校門で会った。すると、未稀は開口一番に真澄の話をきり出した。
「冬香、今朝のニュース見た!?真澄のお母さんの…」「うん、見たよ…。大丈夫かな…?」
「うん。心配だよね。」未稀も未だに信じられないのか、いつもよりも口が重い。そのため話が続かないまま教室へ着いた。すると、そこには皆に囲まれた真澄の姿があった。
「真澄!」未稀が呼び掛けると、真澄がこちらを見た。
「あ、未稀に冬香!ごめんね、心配かけて…」
「いやいや!真澄の方こそ大丈夫なの⁉」
「うん!ばっちりだよ。だから、心配しないでね。」
「それなら、いいけど…。何か、困ってることがあったら言ってね。約束。」
「うん。約束。」そう言って、真澄と未稀は指切りげんまんをした。真澄の周りにいた人たちも、ほっとした感じになっていた。だが、私は気持ちが晴れなかった。
 
 本当かな?本当に真澄は私たちを頼ってくれるのかな?本当に真澄はもう、大丈夫なのかな?