「明日って?」

「だから、明日の放課後、暇かってきいてるんだ」


明日の放課後……?


まって。

それって。

それって、それって!


「えっと、空いてる。明日は夕方までお仕事だけど、それからなら空いてるよ!」


無意識に早口になる。

胸に光るのは、キラキラとした感情。

これって、そういうことだよね!?



「じゃあ、するか。その、“お家デート”ってやつ」

「はい!」


やっぱりー!

満面の笑みで返したあたしは、それから修平に家まで送ってもらった。


その別れ際。


「前から思っていたが、その変装、逆に怪しいぞ」


なんて、修平から言われてしまったあたし。

なんでだろ。

あたしとしては、めちゃくちゃ完璧な変装なんだけどなー。


まあ、それはどうでもいっか。



期待に胸を弾ませながら、あたしはベッドの中に入った。

……あぁ、楽しみ。

瞼を閉じて、明日のことを思い浮かべる。



この時はただ、幸せな明日しか、想像できなかったんだ──。