「あの……!」


──うっかり、そのドアを開けてしまったんだ。


それは一度入ってしまえばもう、簡単には抜け出せない。

永久(とわ)に続く迷路の入口だとは、少しも気づかずに。



「よろしくお願いします!」



私がなりたいのは、

なりたくてなりたくて堪らないのは、

他でもない……。



“パティシエ”なんだ。