6月中旬にもなれば、傘が手放せなくなる。 たまーに晴れの日だってやってくるけれど。 今日は、起きた時からすでに雨。 だから私は今日も、玄関で決まってそれを開く。 電車から降りた私は、駅から学校までの道を一人、歩いていた。 透明な雫が真っ赤な傘に落ちて、ポツポツと音を奏でる。 そんな中、私はそっと黒い空を見上げた。