──トクン、トクン。


パラパラとページを捲る。

A4のルーズリーフよりも小さい、コンパクトサイズのスケッチブックだ。


……あった。

新しいページを見つけると、それを机の上に開いて置き、今度は筆箱に手をかけた。

筆箱といっても、授業中に使ってるものではない。

それとは別に持ってきた、円筒形のもので。

スッとファスナーを開ければ、ほら。

鮮やかな色鉛筆たちが一斉に顔を出した。


真っ白なキャンバスに、シャープペンシルを走らせる。

頭の中に膨らんだイメージを、そのまま映すように。

右手に乗せ、黙々と、一心不乱に描いていく。


……うーん、なんか違う。

もっとこうオシャレに……。


消しゴムで消しては、何度も描き直す。

納得いくまで、何度も、何度も。


よし。


色鉛筆に持ち替えると、私は一気に色をつけていった。