あーもー!
この問題難すぎ!
俺は頭を抱え悩んでいた。
「英語なんて出来なくても生きていけるのに!」
バシッ。
「バカなこと言わず勉強しろ!一樹!」
「いったー、頭叩くなよ冬花」
12月後編。
寒い季節のなか、俺は図書室で勉強をしていた。
成績の悪い俺は、3ヵ月前からここで、勉強をしている。
夏休み後のテストが最悪で、家だと集中することができないから、放課後に図書室で勉強している。
放課後はなぜか図書室の係りの人もいなく、冬花と2人きり。
「わからないとこ教えるから、どこがわからないの?」
「えーと、ここの」
教科書のわからないところを開き、指をさす。
「ここはねー、」
冬花は、さらさらの長い髪を耳にかけながら勉強を教えてくれた。
近いな。
俺の心臓は、ドキドキしていた。
3ヵ月前までの俺だと、想像もつかないことだな。