「さ、今日遅刻したのは小藤君と成田君だけかね。」

あたし、小藤成(ことうなる)はただいま絶賛説教を受けています。

ただいまの時刻は8時30分。登校時間である8時20分よりたった10分遅れてしまっただけなのに、それで怒られるなんて今日はマジでついてない。

「すみません。でも、先生。あたしは今日寝坊してしまって…。」

さすがにこれくらい言えば許してくれるだろう。


「そうか、で、成田君はどうして遅刻したのかい?」

先生が穏やかではない声で話した。

今あたしの隣で説教を受けています、成田慶也(なりたけいや)君。

よく遅刻をする人だから、あまり先生もよく思っていない様子。

あたしもあまりよい人だとは思っていないんだ。