秘密の相談相手

涼介の表情は少し曇っているように見える。


「親しい先輩がね、試合に出るから観に来たの。」


私がそう言うと、涼介の視線は怜央先輩へと向けられる。

そして顔を少し顰める。


「涼介、ここにいても大丈夫なの?もーすぐ始まるしさ、しかも相手チームの応援席に…。」

「ああ、そうだね。そろそろいこうかな。」


涼介が行こうとした時。


「麻弥!」

「怜央先輩?」


ピクリと反応して、涼介は立ち止まる。

私は先輩の方を向く。


「…俺だけ見てて。」

「え…。」

「わ、わかったか!」


大声で叫ぶ先輩。

息を荒くして、顔を赤くする先輩。


先輩何言ってんだろ、そんな当たり前の事。


「私は先輩を観ますよ。だって、怜央先輩を観に来たんですから!」


私も、大声で返事をする。

先輩は何故か驚いた顔をしている。

そのまま俯いてしまった。

私変なこと言ったかな?


「あの、先輩…。」

「お、おう…!」


先輩はそのままチームメイトの方へ走っていってしまった。

チームメイトからは頭を触られたり、いじられている。

一体何だったんだろう?

わざわざあんなこと…。


「天谷先輩、あからさま過ぎ。」

「めっちゃ照れてたね。」


凛と萌夏は、楽しそうに話す。


すると、その会話をかき消すように大声で涼介は言った。


「麻弥、悪いけどこの試合俺達が勝つから。」

「え、涼介?」


「じゃあな。」と走っていく涼介。

西高は負けないからって事かな?

何でわざわざ言ったんだろ。