秘密の相談相手

「東高校の応援全然いないじゃん!」


東高校の観客席はサッカー部員と私達だけ。

向こう側を見ると、人数に差がありすぎる。


東高校も中々サッカー強いんだけど、やっぱり強豪校は違うんだな。

私達は、席についた。


「私、飲み物買ってくるけど何か飲む?」


萌夏がリュックの中からお財布を取り出しながら言う。


「水欲しいなー、あの桃の味のやつ!」

「それなら私もそれー。」


凛が飲みたいと言ったから私まで飲みたくなった。


「私もそれにしよーとしてたのに…気が合いすぎでしょ」


私と凛は萌夏に飲み物代を渡す。

萌夏は「ダッシュで戻るから。」と小走りで行ってしまった。

混んでるだろうから、時間かかりそう。

私と凛は喋りながら待つことにした。


その時、フェンスに怜央先輩が近づいてきた。


「おー、麻弥!来てくれたんだ!」


目を細めて笑いながら手を振る先輩。

先輩の笑い方は優しくてとてもいいなって思う。


「来るって言ったじゃないですか。」

「あはは、そうだな。……てか、私服だな。」

「そうですけど?」


先輩は口元に手をあて、私の姿を下から上まで見る。


「なんか、新鮮だな…可愛い。」

「え…あ、そうですか?ありがとうございます。」


褒められるなんて思ってなくて、いきなりの事で驚いた。

先輩も言ってて恥ずかしくなったのか、頬を赤くさせて顔を逸らす。

私も、そんな先輩を見て恥ずかしくなる。


「自分で言っといて何で照れるんですか!」

「て、照れてない!」


手で口元を隠す先輩。

照れるなんて先輩らしくない。


「麻弥、凛、買ってきたよー…なんだけど。」


向こうから萌夏は手を振りながら走ってくる。

萌夏の言葉が気になり駆け寄ろうとした。


あれ…。

萌夏の後ろに見えた西高校の男子。


それはどう見ても…。


「さっきそこで会ったら、麻弥いるのかって聞かれてさ、連れてきちゃったごめん。」


萌夏は小声で私の耳元で話す。

私は萌夏の声なんか届かず、目の前にいる涼介を見つめた。


朝も会ったけど、その時とは違い、格好はユニフォーム姿。

西高校のユニフォームを着ている涼介が新鮮すぎて目が離せなかった。


「麻弥、出掛けるって練習試合観に来てたんだね。」

「うん…東高の応援に…。」


涼介から視線を外す。

そしてふと目が合うのは怜央先輩。


相手チームと話してるとこ見たら何か思うよね。

私は焦って凛と萌夏に助けを求める。

でも2人はポカンとしている。

すると二人が私の両肩に手を置く。


「え、待って待って。あんたら今日久々会ったんじゃないの?」

「それな。」

「朝、家出たらたまたま会って…。」

「何という偶然。この展開はびっくりだ。」

「それな。」

「凛さっきからそれなってしか言ってないじゃん。」

「それな。」

「…。」


こういうやり取りをしていると、涼介が話しかけてきた。


「……練習試合観に来てたって事は、東に知り合いとかそういう人いるの?」