あーダルい。すんごいダルい。

「千桜、欠伸してないでモニターチェックしろよ。」

「え…?あー、うん。」


今はどっかの国のマフィアと喧嘩してる。


さっさと終わらないかなぁ。


「ねーねーパパー。」

「パパって呼ぶな、気色悪い。」

「きーずーつーくー。
 んで、今回僕らが勝ったら何くれんの?あっちは。」

「…金?」

「おー、じゃあ頑張れ!」

「お前もだ。」


今回は喧嘩する場所選びに結構凝ったからなー。

長引くよねー。だるー。


僕らがいるのは、旧トンネルの水道地下の壁を掘ったとこにある、なんかよく分かんない場所。

え、ねぇここどこ?



もちろん声は漏れないし、死体も始末に楽だから、いいとこではあるんだけど。

「ねぇ、僕出番ないよね?帰りたいんだけど。」

「駄目だ。お前はここにいろ。」

「えー…。」

「お前は最終兵器だからな。」

「だるーい。」

「…適当な人形見つけて遊んでろ。」

「よし、遊んでくる!!」



人形ってのは、人のことだよ!

殺すわけじゃないよ?本当に遊ぶだけなんだよ?





「ねぇそこの人!!

 しりとりしようよ!!」

「は?」


「あれ、アオだ。」

アオは、別のマフィアに所属してる1個上の友達。 

かっこよくて、口悪いけど優しいんだよ!


「アオ、遊ぼうよー」

「暇人かよ。」

「うん。」


「…あー、
 そういやサツはどうだよ。」

「んー、まぁ上手く撒けてるよ。」

「おー。」


そういや涼、何してるのかな。

僕らのこと死に物狂いで捜索してるのかな。

「ハル。お前寒くねぇの?」

動きやすいように、いつもは短パンなんだけど…
トンネルの水道地下だし、寒い。

「寒いけど…え、何。スープでも作ってくれんの?!」

「なわけねーだろ!!
 ホラ、俺の上着貸してやっから…腰にでも巻き付けとけ。」

「ありがとう!…ぁ、生暖かい。」

「もうお前黙れよ。」


その日、僕ら日本側がどっかの国に勝った。

お金貰えたし、僕は満足。

「おいハル。ちょっと付き合えや。」

「何さアオ。僕眠いんだけど。」


「知らねーよ。着いて来い。」

「えぇー…。」


僕より背の高いアオに着いていくと、
何かよくわかんないけどコンビニでお菓子を奢ってもらえることになった。

「何でも買っていいぞ。金あるしな。」

「おー、あざーす。」

よくわかんないけど、アオは何したいんだ…?