朝っぱらから千桜さんは何してるんだ…。


しかも、ご飯作って待ってると言われたんだけど。

いや、帰ってくれ。


憂鬱な、でも少し浮かれるような気持ちで出勤した。


「あれ、秋月さんどうしたんですか?
 なんか嬉しそうですよ?」


同僚の鈴木さんが話しかけてきた。

まだまだ新人だが、体力もあってメンタルも強いと評判がいい。


「嬉しそう…ですかね、僕。」

「はい。そんな風に見えましたよ!」


千桜さんのことを考えていたからかな。


って、これじゃ千桜さんが好きみたいになっちゃうじゃんっ!

「で、どうしたんですか?」

「いや、なんでもないです。」


千桜さんも、鈴木さんみたいな明るくて優しい人に…。


…いや、あの人も明るいし、優しさもあるにはあるのか、一応。


「あ、秋月さん、最近マフィアの動きはどうですか?」

「あぁ、相変わらずだよ。
 
 でも最近は、政府に対する反発的な暴動は起こしてないんだ。」

「そうなんですか?
 何か考えがあるんですかね?」

「おそらくね。」



僕も千桜さんも、仕事のことについては触れない。

ただ二人で、プライベートの付き合いとして接している。



「午前は交番で午後はパトロールだっけ。
 じゃあ僕、交番に行って来ますね。」

「行ってらっしゃいです!」


小さな町の交番で、ゆっくりした時間を過ごす。

ゆっくりしちゃいけないんだけど。


静かに流れる雲を見て、早く帰りたいと思った。


ただただ、千桜さんに会いたいと思った。