庭を抜けて家の中に続く大きな扉を開けると、ホールに出た。



目がチカチカする。一般市民の私にとっては、シャンデリアだって初めてだ。


ていうか、まだ昼間なのに電気をつけているなんて信じられない。




「どうぞ、お上がりください」




こういうところなら、家でも土足なのかなと思っていたら、フツーに靴を脱ぐみたいだ。変なとこで和式。




「向かって右側にダイニングとキッチン、左側にリビングがございます。


正面の階段そばの廊下を進んで頂きますと、使用人の部屋がございます。



現在ここで住むのは、ご家族の他ですと、結衣さんとわたくしだけになります。


その他には、日中にパートの家政婦が二人おりまして、交代で働いております」