南田祐基(みなみだゆうき)は、私の幼なじみ。元々、家が近所同士で、小さな頃はよく一緒に遊んでいたんだ。



私の家はお母さんがいなかったから、お父さんが仕事から帰るまで、祐基の家で面倒を見てもらうことも多かった。




だけどお父さんを亡くして、私がばあちゃんの家に引っ越してからは、祐基との距離も遠くなってしまった。




近所の友達でなくなってしまったこともあるけど、学校でも同じクラスになることがしばらくなかったんだよね。




中学校に上がる頃なんて、思春期っていうか、とにかくお互いぎこちなくなっちゃって、廊下ですれ違っても挨拶すらしない関係になってしまった。