「どうされました?結衣さん」


「申し訳ありません。私がついていながら、お嬢様方が出て行ってしまいました」




キッチンに戻った私は、そこにいた奥様と信子さんに今の状況を話した。


お嬢様方は彼氏に会うために駅前の塾に向かっていることや、風様が二人を追いかけていること。



「本当にすみません。私の責任なんです」



これでもかってくらいに頭を思いっきり下げる。奥様の顔なんて、もうまともに見ることができない。



「……ありがとう、結衣さん。すぐに知らせてくれて。あなたが責任を感じることはないですよ。悪いのは全てあの子達。


居場所がわかっただけでも助かるわ。信子さん、車を出しましょう」



「あの、私も行きます!」




「大丈夫よ。あの子達は大丈夫。だから結衣さんには、ここで留守番してもらえないかしら?」