「わかったわかった、俺が行くからいいよ」



「そんなわけにはいきません!私の責任なんです」



「結衣は悪くないって。責任とか、そんなこと言ってる場合じゃないし。

それに、やっぱ夜道に女一人で行かせられないだろ」



「でも……」



「急がないとあいつらに逃げられる。いいからこれ、持ってて」



風様はバスタオルを私に託して、今来た道を駆け足で戻っていく。




「あっ!ありがとうございます!二人は駅前の塾に向かっていると思います!」



「りょーかい!!まかせろ!」



手を振り駆けていく風様の背中を見送り、力が抜けてしまった私は、バスタオルを持ったままその場に崩れ落ちる。



つ、疲れた……初日から失敗してしまうなんて。