しゃがんでいる私の頭の上で、風様が小さくため息をつくのが聞こえてきた。
「……だめだな。俺、やっぱ結衣が好き」
私はゆっくりと顔を上げる。少し薄暗い玄関で、風様と目が合った。
「俺、今度こそ結衣のこと、忘れられるかな」
私は失恋をきっかけに、恋愛を控えて使用人としての仕事を頑張ることに決めていた。
風様にもそのことを話していたからだと思う。それからの彼は、出会った頃みたいなあからさまなアピールはなくなった。
それでも……
『今度こそ』。風様の気持ちを表すには、その一言だけで充分に伝わる。
「……だめだな。俺、やっぱ結衣が好き」
私はゆっくりと顔を上げる。少し薄暗い玄関で、風様と目が合った。
「俺、今度こそ結衣のこと、忘れられるかな」
私は失恋をきっかけに、恋愛を控えて使用人としての仕事を頑張ることに決めていた。
風様にもそのことを話していたからだと思う。それからの彼は、出会った頃みたいなあからさまなアピールはなくなった。
それでも……
『今度こそ』。風様の気持ちを表すには、その一言だけで充分に伝わる。

