現役女子高生、メイドになります!

元々、引っ越しの荷物も少なく、荷解きも夕方には終わった。調理器具も揃えてあるから、スーパーに行けばもう晩ごはんが作れる。





「風様、晩ごはん食べて行きます?今からスーパーに行くんですけど」



「うーん。いや、今日は帰ろっかな。送って」





……そっか、帰るんだ。そしたら晩ごはんは私一人か。当たり前なんだけど、やっぱり一人暮らし初日はちょっと寂しいかも。




狭い玄関で、風様がほどけていたスニーカーの靴紐を結んでいた。丸めた背中を見ると、余計に寂しさがこみ上げてくる。




立ち上がった風様が玄関のドアに手をかける。私は無意識に、彼が着ていたブルゾンの裾をつまんでいた。