「どうする?どっか行くか?それとも真っ直ぐ帰る?」



そう。彼の場合、別にこれといった用事があって私を呼んだわけではない。なんとなく、下心が滲んでいるのも感じ取れるけどね。


それにしてもこの人は、たった今部活を終えたばかりなのに、どうしてこんなに元気なんだろうか。



「あ、じゃあイオン行きませんか?」



賢い使用人は、雇い主の息子をも利用する。
どうせだから、ばあちゃんの誕生日プレゼントを選ぶのに付き合わせよっと。


私もなかなか一人では買い物に来る時間もないし、ここからならイオンも近いからちょうどいいや。



「オッケー!行こっ!」



風様はあからさまに喜んで、自転車を漕ぎ出した。