鳳星高校に着くと、風様はすでに校門前で私を待っていた。自転車に跨りながら、片手でスマホをいじっている。


私に気づくと風様は、片手を顔の位置まで上げた。



「お疲れ。休みの日なのに悪いな」




……私の仕事が休みだからこそ、迎えを頼んでいるくせに。



風様はここ最近の日曜日の部活終わりに、こうして私を呼び出すことが増えていた。


というのも、いつも一緒に帰っていた友達に彼女ができたとかで、相手にされなくなったらしい。



迎えに来てと言われたところで、私は当然車なんて運転できないし、ただ自転車で鳳星高校まで往復するだけの謎の運動だ。