……このことを結衣に話さなかったのは、俺が展望台にいたことを彼女に知られたくなかったから。


あのときの俺が、結衣のことを特別な目で見ていたことは、この先もずっと隠しておきたいことだ。



そして、もう一つ。結衣はきっと知らないことがある。



あの頃、展望台を訪れていた人物は、他にもいたんだ。つい最近、俺はそのことに気がついた。




ユウキだ。あの展望台には、あいつもずっと来ていたのだ。