『……変な質問して悪かった、俺なんかに気を遣わせてごめんな』



受話器越しに聞こえる声はどこか頼りなく、そこから風様のつらそうな顔が目に浮かんだ。きっと今まで不安だったに違いない。



……いや、だめだ。やっぱり正直に言ったほうがいい。隠しているから、風様を不安にさせるんだ。



「あの、海様とは展望台に行っていたんです」


『展望台？なんで？海が誘ったのか』



「……えっと、多分、勉強の息抜きじゃないですかね。あんまり深い意味はないと思います」



『……』