『めっちゃ恥ずかしいけど、俺、かなり今日浮かれてたんだよな。結衣に絶対かっこいいとこ見せたかったし。


でも結局それが悪かったってことだな。いいとこ見せたくて空回ってたってこと。反省反省、次は頑張ろう』



どうも、口ぶりが反省しているようには聞こえない。はいはいと適当に相槌を打つ。




『結衣のこと意識すると、なんか余裕なくなっちゃうよな。いつもはうまくいっていることも、急にだめになってしまう』




受話器の向こうで、へへっと乾いた笑い声をあげる。風様の言葉は濁ることがなく、私の胸に真っ直ぐ届いた。