――23時26分。



『遅くなってごめんね。今、電話してもいい?』



メッセージには既読がついたから、祐基はまだ起きているみたいだけど、下手に日中、ラインなんかしないほうがよかったかも。



思いの外、仕事に時間がかかってしまい、私が電話するって言ってたせいで、結局この時間まで祐基を待たせることになってしまった。




『お疲れ、いいよ』




明日は土曜日だけど、きっと祐基は朝から部活だろう。あまり長く話さないようにしなきゃ。


そう思いながら、ケータイの通話ボタンを押して、耳に当てた。



……呼出音が鳴っている間って、なんでこんな不安になるんだろう。


たった今、ラインで電話していいことを確認したばっかなのに、もしかしたら電話に出ないかもって思ってしまう。