「あの、風様、私……」



「……待った、『ごめん』は禁止な」




私の言葉の続きを、風様は右手を上げて制する。




「あのさ。それ、昨日も言われてるっつーの。お前、俺の繊細なハートをめった刺しにすんなよ」



「いや、そんなつもりは……」




……あれ、部屋から気まずい空気が消えている?




「なんだろな、これ。俺、言いたいこと言って一人ですっきりしちゃった。


つーかそもそも、結衣は好きなやついるって言ったもんな。


別に邪魔するつもりなんてないし、俺のことは気にしなくていいから、お前はお前で頑張れよ」




え、そんなのってあり?私、めっちゃモヤっとしてるんですけど。




「気にしなくていいと言われましても……」




だってまだドキドキしたまんまなんだよ。
これを気にすんなって、どうすりゃいいのよ!