後ろから私の肩に顔を埋める風様。その髪が小刻みに揺れているのに気づいた。



私の身体を包むその両腕も、力が入っていながらもかすかに震えているのが伝わってくる。




抱きしめられているというよりかは、しがみつかれている感じ。風様は、私が着ているパジャマの肩の部分の布を、シワができるほどにぐっと掴む。





「……錯覚なんかじゃなかったんだ。一度気になると、キリがない」





……でも、どうしよう。もし、私が無理やりこの腕から抜け出そうとしたら、風様はどんな顔をするだろうか。




眉をひそめ、唇を噛み締め、それでもなんとか笑顔を作ろうとして……




部屋は暗くても、きっとそんな風様の姿が見えてしまいそう。



なんだか、いたたまれなくなる。だけど……