「えっ?ちょっ、風様?」



私が名前を呼ぶと、その腕にはさらに力が入る。




「……ごめん、まじごめん。なんかもう、抑えらんなくて。


悪いんだけど、もうしばらく電気は点けないでくれる?今の俺の顔、あんま見られたくない……」




風様の声で耳元が熱くなった。その声は私の頭の中でゆっくりと広がりながら響いていく。



背中越しに聞こえる風様の心臓の音が、どくんどくんと波打っていた。




「ほんとにごめんな。だけど、拒まないで……」




さっきから謝ってばかりだし、なんだか泣きそうな声をしている。拒むタイミングなんてとっくに逃しているのに。